バイバイまたね、クドリャフカ

「すごい。ここにきてほのかがとんでもないわがままを推してきたね」

 論説問題の解答としては間違いなく不可だ。けれど、それでもいい。私は自分なりの答えを見つけた。

「うん。だって私、聖人君子じゃないから」

 いつかの台詞を彼に返す。そして私は口の端を持ち上げなんとか笑顔を作った。

「それに、穂高はまだ諦めてないでしょ?」

 言いきると珍しく穂高が動揺しているのが伝わってくる。そんな彼に私は再度、力強く告げた。

「本当は生きたいって思ってるんでしょ?」

 問いかけというよりは訴えかけだった。自分の考えに迷いはない。思い出したから。

『でも七パーセントの可能性で助かる』

『まだ終わるとは決まってないだろ』

 どんなに私が弱気になって、世界の終わりを考えてしまっても、穂高は絶対に諦めていなかった。気休めでも慰めでもない。強い信念で私をいつも励ましてくれた。

 その気持ちは自分自身に対してもきっと同じだ。

「ほのか、でも俺は……」

「地球は助かる」

 彼の発言を遮って、私は宣言した。声にしたことで耳に届き、言霊のように自分の中に落ちてくる。穂高は虚を衝かれた顔をしていた。

 私は彼に向かって一言一句、言い聞かせるかのごとくはっきりと伝える。

「七パーセントの確率で助かるの。そして穂高の手術も成功して、元気になる。穂高もそう思っているんでしょ?」

 ただ信じる力が弱くなるときだってある。私だってそうだった。その私が、今こんなにも強く可能性を信じられるのは穂高のおかげだ。

 だから、今度は私が彼の力になりたい。