「ごめん。でも俺はどっちみち長く生きられないなら、なにかを成し遂げたい。自分の生きた意味を残したいんだ。もし自分の命で誰かが、地球が救われるなら十分だよ」
『どうせ限られた命なら、誰かの、なにかのために役立てたいって俺は思うんだ』
彼の言葉が脳裏に過ぎる。なにげなく交わしてきた穂高とのやりとりの中、彼がどんな強い決意を抱いて言っていたのかを今になって思い知った。
『……どうだろう。でも俺はここにずっといない存在だから』
『そして人類のために大きな偉業を成し遂げるんだ』
私は息と共に言葉もぐっと飲み込む。喉の奥が詰まって苦しい。穂高はこんな苦しさをずっと抱えていたのだろうか。
学校でいる彼は、微塵もそんな様子を感じさせなかった。でもそれは彼が感じさせないようにしていただけで、私がなにも気づかなかっただけだ。
穂高は複雑そうな顔で私をじっと見つめる。そして私の反応を気にしながら再びぎこちなく抱き寄せた。
そのまま彼がベッドに体を横たわらせたので、私も一緒に倒れ込む。私はなにも言わず彼に身を委ねた。
ベッドの軋む音が静かな部屋に響くと、穂高は抱きしめる力を緩め、私の顔を確認してくる。大きな瞳がすぐそばにあり、彼の腕を枕にするかたちで私も視線を合わせた。
「泣くなよ。ほのかは笑ってたらいいんだ」
「泣かせたのは、誰よ」
極力いつも通りの口調で返した、つもりだった。けれど涙は止められず、重力に従い流れ落ちて彼の腕を濡らしていく。頬も、耳も、なにもかもが冷たい。
『どうせ限られた命なら、誰かの、なにかのために役立てたいって俺は思うんだ』
彼の言葉が脳裏に過ぎる。なにげなく交わしてきた穂高とのやりとりの中、彼がどんな強い決意を抱いて言っていたのかを今になって思い知った。
『……どうだろう。でも俺はここにずっといない存在だから』
『そして人類のために大きな偉業を成し遂げるんだ』
私は息と共に言葉もぐっと飲み込む。喉の奥が詰まって苦しい。穂高はこんな苦しさをずっと抱えていたのだろうか。
学校でいる彼は、微塵もそんな様子を感じさせなかった。でもそれは彼が感じさせないようにしていただけで、私がなにも気づかなかっただけだ。
穂高は複雑そうな顔で私をじっと見つめる。そして私の反応を気にしながら再びぎこちなく抱き寄せた。
そのまま彼がベッドに体を横たわらせたので、私も一緒に倒れ込む。私はなにも言わず彼に身を委ねた。
ベッドの軋む音が静かな部屋に響くと、穂高は抱きしめる力を緩め、私の顔を確認してくる。大きな瞳がすぐそばにあり、彼の腕を枕にするかたちで私も視線を合わせた。
「泣くなよ。ほのかは笑ってたらいいんだ」
「泣かせたのは、誰よ」
極力いつも通りの口調で返した、つもりだった。けれど涙は止められず、重力に従い流れ落ちて彼の腕を濡らしていく。頬も、耳も、なにもかもが冷たい。


