「でも、もういいんだ」
私の言葉を遮るように穂高は力強く言い切った。
「今のままでも、地球の終わりまでは生きられる」
「まだ終わるって決まってないでしょ!」
噛みつくように私は言い放つ。いつもと立場が逆だ。それは穂高も思ったのか、かすかに笑ったのが伝わってきた。
「日本に帰ってきて、ずっと焦ってた。自分には目標があって、こんな回り道をしている場合じゃないのにって。高校生活も病院に通う傍らの暇つぶし程度だった……でもよかった、ここでほのかに出会えたから」
私は小さく頭を振る。いいことなんてひとつもない。穂高が病気になるくらいなら、出会えなくてもよかった。
彼が日本に帰国する必要もなく、アメリカで自分の夢を目指して叶える方がよっぽどいい。
その考えに至り、ついに私の目から涙が溢れだす。我慢するも喉を震わせ嗚咽が漏れてしまい、そんな私を心配してか、穂高が腕の力を緩めてこちらを覗き込んできた。
「なんでほのかが泣くんだよ」
「だって……」
困惑気味の笑顔。穂高は親指で優しく私の涙を拭った。
「俺さ、クドリャフカになりたいって言っただろ」
語り掛けるように穂高は話を振ってくる。天文台を後にして彼が唐突に私に話してきた内容はしっかりと覚えている。私は静かに目で応えた。
「クドリャフカは、世界で初めて宇宙に行った動物なんだ」
穂高は寂しげに説明を始めた。
人類が宇宙に行く前に、幾度となく安全性などを確認するために試験的に犬がロケットに乗せられ、打ち上げられた。
私の言葉を遮るように穂高は力強く言い切った。
「今のままでも、地球の終わりまでは生きられる」
「まだ終わるって決まってないでしょ!」
噛みつくように私は言い放つ。いつもと立場が逆だ。それは穂高も思ったのか、かすかに笑ったのが伝わってきた。
「日本に帰ってきて、ずっと焦ってた。自分には目標があって、こんな回り道をしている場合じゃないのにって。高校生活も病院に通う傍らの暇つぶし程度だった……でもよかった、ここでほのかに出会えたから」
私は小さく頭を振る。いいことなんてひとつもない。穂高が病気になるくらいなら、出会えなくてもよかった。
彼が日本に帰国する必要もなく、アメリカで自分の夢を目指して叶える方がよっぽどいい。
その考えに至り、ついに私の目から涙が溢れだす。我慢するも喉を震わせ嗚咽が漏れてしまい、そんな私を心配してか、穂高が腕の力を緩めてこちらを覗き込んできた。
「なんでほのかが泣くんだよ」
「だって……」
困惑気味の笑顔。穂高は親指で優しく私の涙を拭った。
「俺さ、クドリャフカになりたいって言っただろ」
語り掛けるように穂高は話を振ってくる。天文台を後にして彼が唐突に私に話してきた内容はしっかりと覚えている。私は静かに目で応えた。
「クドリャフカは、世界で初めて宇宙に行った動物なんだ」
穂高は寂しげに説明を始めた。
人類が宇宙に行く前に、幾度となく安全性などを確認するために試験的に犬がロケットに乗せられ、打ち上げられた。


