「じゃぁ、すみません。お言葉に甘えて二時間後にお願いしてもいいですか?」
「わかった。じゃぁ、せいぜい地球を滅ぼす月でも観察しておけ」
悪態をつきながら宮脇さんは運転席に乗り込み、来た道を戻っていく。
きっと真面目に二時間後に来るんだろうな。それもみんなに押されてしょうがなく、と言いながら。
私は思い切って今度は自然と私から穂高の手を取った。あまり意識しないようにさらっと。
「アルビレオ見えるかな?」
誤魔化すように話題を振る。冷静さを装いつつ内心では動揺が広がっていた。彼は笑いながら空いている方の手を上げて、天上を指す。
「見るだけなら、ここからでも確認できるよ」
「え、嘘!?」
私は驚いて穂高の隣に並び、視線を合わせてみる。彼はゆっくりと空をなぞるように指を滑らせた。
「アルビレオははくちょう座のくちばしの部分にあたるんだけれど、そのはくちょう座の一番の目印は一等星のデネブなんだ」
「デネブって……たしか夏の大三角形の?」
小学校の理科で習ったのを思い出す。星座盤をもらって観察したっけ。
「そう。ほら、あそこ」
彼が指す方を見れば、簡単に夏の大三角形を見つけられた。デネブ、ベガ、アルタイル。そこまで星に興味のない私でも、これらの星の名前は知っている。
こんなふうに空を見上げるのはいつぶりだろう。地球を滅ぼす月が怖くて、目を背けたくて極力見ないようにしていた。
でも、暗闇に輝く星は色も明るさも違う。空は、宇宙はこんなにも壮大で綺麗だ。
「デネブから三角の中側に位置する星に線を結んで、十字になるのがわかる?」
「なん、となく」
目を凝らして必死に頭の中で線を繋いでみる。穂高の指先を必死に目で追った。つくづく星座を考えた人は本当に想像力豊かだと思う。
「わかった。じゃぁ、せいぜい地球を滅ぼす月でも観察しておけ」
悪態をつきながら宮脇さんは運転席に乗り込み、来た道を戻っていく。
きっと真面目に二時間後に来るんだろうな。それもみんなに押されてしょうがなく、と言いながら。
私は思い切って今度は自然と私から穂高の手を取った。あまり意識しないようにさらっと。
「アルビレオ見えるかな?」
誤魔化すように話題を振る。冷静さを装いつつ内心では動揺が広がっていた。彼は笑いながら空いている方の手を上げて、天上を指す。
「見るだけなら、ここからでも確認できるよ」
「え、嘘!?」
私は驚いて穂高の隣に並び、視線を合わせてみる。彼はゆっくりと空をなぞるように指を滑らせた。
「アルビレオははくちょう座のくちばしの部分にあたるんだけれど、そのはくちょう座の一番の目印は一等星のデネブなんだ」
「デネブって……たしか夏の大三角形の?」
小学校の理科で習ったのを思い出す。星座盤をもらって観察したっけ。
「そう。ほら、あそこ」
彼が指す方を見れば、簡単に夏の大三角形を見つけられた。デネブ、ベガ、アルタイル。そこまで星に興味のない私でも、これらの星の名前は知っている。
こんなふうに空を見上げるのはいつぶりだろう。地球を滅ぼす月が怖くて、目を背けたくて極力見ないようにしていた。
でも、暗闇に輝く星は色も明るさも違う。空は、宇宙はこんなにも壮大で綺麗だ。
「デネブから三角の中側に位置する星に線を結んで、十字になるのがわかる?」
「なん、となく」
目を凝らして必死に頭の中で線を繋いでみる。穂高の指先を必死に目で追った。つくづく星座を考えた人は本当に想像力豊かだと思う。


