星降る夜の月



いられない。


私はもう、分からない。


最後にお母さんを一瞥してから玄関へ向かった。


もうこの家には居たくない。


おかしくなりそう。


「待ちなさい!」


無視して外へ飛び出す。


真夜中。


私は初めて家出をした。


季節はもうすぐ梅雨。


風はぬるい。


……うわ、最悪。


急に現実に引き戻された。


私、どこへも行けない。


この時間なんて補導されて終わりだ。


結局、私は所詮は無力な子供だったのだ。


自分ひとりじゃ何も出来ない。


悔しい。


子供か、大人で全てが判断されてしまうことが。


歩いて公園に着いた。


家から15分くらい。


家出じゃない。


ただの散歩と化していた。


「ああ、なんで。」


ブランコに腰掛ける。


どこを見ても人がいない。


私は、お母さんよりもお父さんの方が好きだった。


頭ごなしに怒らずに理路整然と状況を整理したり、原因をとことん追求してくれるから。


そして、何より世間体を気にせずに自分の好きなことを追いかけるその姿が憧れだったのだ。


お母さんは頭が悪いから分からないのだ。


だから短絡的に亭主関白と罵って勝手に離婚をするのだ。