人混みを抜け、ふたりで歩くいつもの道。
私は香取くんの半歩後ろ。郵便局の角を曲がる。
ちらりと香取くんの方を窺ってみる。
いつもの香取くん。
(さっき、何て言ったの?どうして手を握ったの?)
聴きたいけれど、今の香取くんはいつも通り過ぎてそんな空気じゃない。
マンションの前に着いて、ふたり足を止めた。
「いつもありがとう。遅い時間までごめんね」
香取くんに微笑む。
「…ん」
香取くんは短く応えて眼を逸らす。
花火があんなに熱を帯びていたから、別れるのが寂しい。
(もう少し一緒にいたい…)
さよならしなきゃいけないのに、そんな我が儘な思いが私をのろのろとさせている。
「……」
「……」
私の気持ちが伝わってしまったのか、香取くんもまた立ち去ろうとせずここにいてくれている。
(香取くん、付き合わせてごめん…)
何か話さなきゃと思うけど言葉なんて思い付かなくて、花火の余韻とただそこに香取くんがいるというそのくすぐったいのに幸せな空気感の中に留まっていた。
私は香取くんの半歩後ろ。郵便局の角を曲がる。
ちらりと香取くんの方を窺ってみる。
いつもの香取くん。
(さっき、何て言ったの?どうして手を握ったの?)
聴きたいけれど、今の香取くんはいつも通り過ぎてそんな空気じゃない。
マンションの前に着いて、ふたり足を止めた。
「いつもありがとう。遅い時間までごめんね」
香取くんに微笑む。
「…ん」
香取くんは短く応えて眼を逸らす。
花火があんなに熱を帯びていたから、別れるのが寂しい。
(もう少し一緒にいたい…)
さよならしなきゃいけないのに、そんな我が儘な思いが私をのろのろとさせている。
「……」
「……」
私の気持ちが伝わってしまったのか、香取くんもまた立ち去ろうとせずここにいてくれている。
(香取くん、付き合わせてごめん…)
何か話さなきゃと思うけど言葉なんて思い付かなくて、花火の余韻とただそこに香取くんがいるというそのくすぐったいのに幸せな空気感の中に留まっていた。



