「何か食べ物買ってく?」
「あ、そうだね!」
西の空に僅かに茜色を残すのみで天頂はすっかり暮れる頃になると、そう言えばお腹が空いてきた。
私たちは花火を見に河原に降りるのに屋台で食べる物を買っていくことにした。
河川敷に降りるともう場所取りをする人でごった返していて、人波に揉まれて思うように進めなくなる。
どうにか少しスペースのあるところを見つけて適当に腰を下ろし、食事の包みを開く。
(こういうところで食べると3割増しで美味しく感じるのは何でだろう…)
焦げた醤油の香りが食欲をそそる焼きとうもろこしと、少ないお肉を探しながら食べるのも楽しい屋台ならではの焼きそばを食べ終えて、私はたこ焼きに手を伸ばした。
熱々でとろとろのたこ焼きを楊子で半分に切ると、中からふわっと湯気が上がる。それをふーふーと吹いてから楊子で差し、ぽんと口に放り込む。
「んー!これ好きー♪」
ソースと鰹節の香りに思わず笑みが零れる。



