少しずつ陽が傾き始め、群青色の空に一番星がひとつ。
空の色が濃くなるに連れて、河川敷も次第に賑わっていく。
屋台が並びいつもより更に狭い遊歩道はごった返していて歩きにくい。
私は香取くんとはぐれないように斜め後ろを必死についていく。
「きゃ…」
流れに逆らって進む人にぶつかった拍子に砂利に下駄が取られ、足がもつれた。
咄嗟に手を伸ばし触れたものにすがる。
「あ…」
私が掴んだのは香取くんのTシャツの裾だった。
「ごめん!」
「いや」
私は慌てて手を離した。香取くんが私を一瞥する。
「……
なぁ、お前さ危なっかしいから、なんなら掴まっといていいけど」
「えっ」
そう言って香取くんはこちらに肘をぐいと突き出した。
(むっ、無理無理無理!)
緊張で余計に転んじゃうよっ!
「だっ!大丈夫だから!!」
私は背中の後ろに手を隠す。
「…ふーん」
と、香取くんは肘を引っ込めてしまった。
(勿体なかったかな、なんて…)
香取くんに触れたい、って気持ちはあるけれど、そんな迷惑掛けられないよ…
だって触れてしまったら、もっと好きになってしまうと思うから─
隣にいるのに、隣にいるからこそ余計に切なくて眼を伏せた。
*
空の色が濃くなるに連れて、河川敷も次第に賑わっていく。
屋台が並びいつもより更に狭い遊歩道はごった返していて歩きにくい。
私は香取くんとはぐれないように斜め後ろを必死についていく。
「きゃ…」
流れに逆らって進む人にぶつかった拍子に砂利に下駄が取られ、足がもつれた。
咄嗟に手を伸ばし触れたものにすがる。
「あ…」
私が掴んだのは香取くんのTシャツの裾だった。
「ごめん!」
「いや」
私は慌てて手を離した。香取くんが私を一瞥する。
「……
なぁ、お前さ危なっかしいから、なんなら掴まっといていいけど」
「えっ」
そう言って香取くんはこちらに肘をぐいと突き出した。
(むっ、無理無理無理!)
緊張で余計に転んじゃうよっ!
「だっ!大丈夫だから!!」
私は背中の後ろに手を隠す。
「…ふーん」
と、香取くんは肘を引っ込めてしまった。
(勿体なかったかな、なんて…)
香取くんに触れたい、って気持ちはあるけれど、そんな迷惑掛けられないよ…
だって触れてしまったら、もっと好きになってしまうと思うから─
隣にいるのに、隣にいるからこそ余計に切なくて眼を伏せた。
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