そんな行き違いはあったものの、いよいよ夏休みが始まり、花火大会がやって来た。
ママに着付けてもらった浴衣で姿見の前に立つ。
ピンクのグラデーションが柔らかな雰囲気の浴衣に蘇芳色の博多帯。いつもダウンスタイルの髪を今日は緩くアップにして、清楚な藤の花が下がるかんざしを付けた。
(香取くん、気に入ってくれるかな…?)
合格点…もらえるといいな。
リップグロスを少し直してから玄関で赤い鼻緒の下駄を履く。籐と布帛のバッグは和のテイストが涼しげで可愛い。
「行ってきます」
玄関の扉を開ける。
私は不安と期待にドキドキしながら、眩しく溢れる午後の陽光の中へ踏み出した。
*



