「おらぁ!」 「かかってきてみろよ!このチキンがぁっ!」 間一髪振り下ろされた金属棒を男の子は手にした長い枝のようなもので防ぐ。 次々と襲いかかる男たちを枝でいなすけれど、それ以上彼は応戦しようとはしない。その上、多勢に無勢で断然分が悪い。 (110番!?119番!?えっ、どっ、どうしたらいい!?) 男の子の背後から蹴りが入り、がくりと膝を着いた彼が振り返る。 (……!?) 私は息を飲んだ。 険しい表情、それでもなお美しい容貌。 そう、振り返った彼は─ 香取くんだったから。