「ね!ね!瑠璃!」 放課後の教室、先に帰ったはずの知世が駆け込んできた。 「どうしたの?息咳切って」 図書室から戻ってきたばかりの私は本をスクールバッグに詰め込みながらのんびり応える。 「あのね!剣道場ですごい試合やってんの!!」 「剣道?」 そう言えば体育館の裏にそんなのがあったっけ? 「とにかくちょっと見に来なよ!」 「あっ!ちょ、待って!まだバッグ閉めてない…」 私は知世に引き摺られて教室を出た。 *