「どうせお前恋もしたこともないんだろ?」
「教えてやろうか?恋の仕方」
「稽古、つけてやるよ」
香取くんは机に手を突いてぐいと乗り出すと、私の顔を至近距離で覗き込んで、水晶みたいな綺麗な瞳を細めてにやりと笑った。
*
(なんでこんなことになっちゃったんだろ…)
私の心中は穏やかでいられるわけもなく…
そりゃそうだ。
だって好きな男の子とお付き合いすることになっちゃったのだから。
否。
『疑似』お付き合いをすることになっちゃったのだから─
* * *
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