そう思い桜の花びらをギュッと握り
ブレザーのポケットに入れた。
そして桜の木の根元に立てかけてた
鞄を取り校舎へと向かって歩きだす。
このときの私は何にも知らなかった…。
私のあんな恥ずかしい場面を
あなたが見ていたなんて…。
教室の前に着いた…
のはいいんだけど…
中に入れない…
私…全然進歩してない
臆病者のまんまだ…
自分から変わらなきゃいけないのに
お腹痛い…
なかなか教室に入れずにいる私の後ろから聞こえた独特なイントネーションの声
「朝礼始まんで〜早う入らんかい」
この声の主は…そっと振り返ると
やっぱり…水巻先生だ!


