『うっうん!星村くんも?』
びっしりカレーの具材が入ってる袋を手にもつ星村くんに問いかけてみる。
「うん。でも俺料理とか全然だし…逃げてきた」
そういたずらっぽく笑う星村くんに私は目が離せなくて…
ザクッ
?
『?ッ…痛っ?』
気づけば私の指からは赤い血が流れてて…
何が起きたのか全然わからなくてこの状況を理解するのにかなり時間がかかった…
そんな私とは対照的に素早く水道の蛇口をひねって勢いよく流れ出す水でいつのまにか掴んでた私の手をいつになく真剣な表情で血が止まるまで洗い流してくれた。
「よし…止まった」
独り言のようにそうぽつんと漏らす星村くんはホッとため息をこぼしていた。
額にはうっすらと汗をかいていた。


