そして

重々しい足取りで

星村君の目の前に着いた私…

星村君の目をまっすぐに

見つめることなんてできなくて少し俯く

私の目の前には星村君が立っていて

私は星村君の目の前に立っている…

星村君の隣にいる女の子につい意識が行ってしまう私…

私が何も口を開かないでいると星村君が

話し始めた…

「月岡さん!!この子がタオルの持ち主だよ?同じクラスの多田さん!!」

私はすごく安心した…

星村君が女の子を呼び捨てにしなかったこと…

そんなことで喜びを感じる…

私は女の子に

『どうも…初めまして!月岡 空です…』

とぎこちない口ぶりで女の子に声をかけた…

すると

「あなたがタオルを借りた子ね?」

と私を食い入るように見つめて言ってきた…

私はなんだかその視線が怖くて

逃れるように目を逸らした…