「手品してるんやないで? 両手出してみ?」

最後の悪あがきも

水巻先生の

一言二言で

呆気なく

崩れていく…。

私は 観念して

両手を出した。

「なんや鍵やないか…。 どこの鍵や?」

私の手から鍵を取り上げながら言う。

『…屋‥上…です…。』

弱々しく言った。