「だってお前の場合、空が倒れたのに空を無理やり起こして自分をおんぶして~とか言いそうやもん(笑)」
「いくら俺でも、女に持ち上げてもらおうなんて思わねえよ?(笑)」
「やろなぁ~(笑)」
「だけどマジメな話。 空は忘れてるんじゃなくて、思い出せねぇんだと思う。 多分、翼も同じじゃね?」
「そやなぁ。 でもやっぱり悲しいで~。 あんなに弟と妹のように可愛がってた空と翼が…。アカの他人みたいにするんやもん…。」
「要は空と翼は“アノ事件”以前もそれ以後の記憶も何もねぇんだ…。 っていうより幼少期の記憶そのものが無くなってる…。だから恭兄のことも翼のことも全て抜けてるんだ…。」
「でも結構経ったし…。 もうスッカリ記憶戻ってるもんやと思ってた…。」
「ん~。 時間とか関係ねぇんじゃね? まだ空も幼かったし…。
“アノ事件”
は子どもには衝撃的すぎた…。」
「そうやな…。」
“アノ事件”
何言ってるの?
2人とも…。


