サッカーの王子様


私は俯いたまま、
首を大きく横に振って否定した。

そして、
真っ赤な顔を、
恥ずかしながらも上げて、

背の高い星村君を見上げて、

星村君の綺麗な黒い瞳から目を逸らさないように、

見つめて、

必死に言った。

『あっあの!!

ありがとう!!

保健室まで運んでくれたんでしょう?
重かったよね?

ごめんね…。
まだ知り合ったばっかりなのに、
迷惑かけて…。』