「そ‥ら…ちゃん」

声が聞こえる…

男の子の声…

苦しそうにかすれた声…

必死に私を呼ぶ声…

誰なの?

顔が見えない…

いや違う…

見えないんじゃなくて

思い出せないんだ…

男の子は膝を抱えて

うずくまっていた。

でも

必死に私の名前を呼んでる…

膝を抑えながらも

私の所に来て

肩を揺すってくれていた…

真正面にあるはずの顔が…

分からない…

そこの部分だけ

まるで

モザイクをかけるように

思いだすなとでもいうように…