僕と彼

それから、美羽と自分の身支度を整えていた時、美羽が僕に言った。

「お姉ちゃん、美羽はね、お姉ちゃんと一緒なら、どんな怖いことでも、乗り越えられると思うの。だって、お姉ちゃんは美羽の、信頼出来る人だから。」

美羽は、そう言った。きっと新しい学校に不安を感じているのだろう。
姉として、信頼出来るという言葉を言って貰えるのは、嬉しい。
だから美羽を不安に感じさせるようなことは、控えなくては。

「ありがとう、美羽。お姉ちゃんも、美羽の事信じてるから。きっと僕達なら、乗り越えられる。頑張ろう。さぁ、そろそろ学校に行こうか。」

僕は、明るく美羽に伝えた。美羽は頷いて、学校に行く支度を進める。

僕達の行く学校は、小中高一貫の私立である。そこそこの進学校らしい。あと共学である。
新しい制服を着て、自分の姿を鏡で確認する。

コマクサ コマガク
駒草学園(通称:駒学)は、厳しい環境でも誇りを持って、自分を道を歩みなさい、そういった意味で名付けられたらしい。

駒学の制服は、他校と比べるととても可愛いのだ。
普通のセーラー服は上下がわかれているが、駒学は繋がっていて、ワンピースタイプである。
クルミイロ
色は、胡桃色でピンクのリボンが付いている。
スカートは、膝上10~15cmぐらいだ。靴下は白で、ローファーは学校指定の茶色である。

しかし、僕が着るのには、少し可愛すぎて恥ずかしくなる。
小等部の制服も、可愛いので美羽には良く似合っている。
小等部は、丸襟の白ブラウスに、胡桃色のジャンパースカート。そして、同じ胡桃色のベレー帽が着いている。もちろんピンクのリボンもだ。

僕は、腰辺りまで下ろした髪を一つにまとめて、ポニーテールぐらいの高さまでに持って行き結ぶ。
本当は髪を切りたいのだが、母が見た目ぐらいは女の子らしくと言って切らせて貰えない。

身長も低いから、可愛いと言って前は仲良くしてくれたのだが、僕の性格のせいで皆離れていった。

妹には、少しは素直になれるのだが、友達には慣れてないと意地を張ってしまったり、僕の言葉で傷つけてしまう。
今度はそんなこと無いようにしたい。