僕と彼

僕は、この場から離れることにした。
だって、ずっといたらまた、泣いてしまいそうだから。

「僕、飲み物買ってくる。」

それだけ言い離れようとしたのに、アヤノがついてきた。

「待ってよ!春野さん!場所分かんないでしよ?アヤノが教えてあげる。それにさ、龍希に一緒にいてって言われたし?」

(・・・着いて来るな。)

僕はもう、心の中で泣いていた。胸が苦しい、さっきとは比べ物にならないほどに。

「春野さん、顔こわぁい!
なんか、アヤノ悪いことしたかな?
・・・・・・・・・・・・?アヤノの事無視するの?
春野さん、ひどい~・・・・!!!
アヤノは、仲良くしたかっただけなのにぃ~・・・。
うっ・・・・ヒック・・・・うぅ・・・。」

その言葉で僕の周囲にいた人達は、僕を軽蔑するような目で見てきた。アヤノの目には涙なんて溜まっていなかった。なのに・・・・!!どうして・・・!!