何でだろうね。卒業。こんな不思議な言葉はない。ワクワクもするし達成感も感じるのに、涙が出そうになるくらい切なかったりもする。「もう二度と会えない」寂しさが珍しいこの時代で、卒業という言葉にはずっとそうした寂しさがある。
だから私たちは必死に刻むのだ。胸に、体に、心に、スマホのライブラリに、忘れたくない思い出を。そうやって胸が苦しくなるくらい刻んで刻んで刻みまくって、卒業する。
私たちはまだ弱いから、終わりがないと進めない。コドモの終わり、学生の終わり、恋の終わり。終わりは常に悲しみと一緒に次のステージへの栄養をくれる。それを糧に、頑張れる。
で、私は咲良に感謝の気持ちを伝えたいと思った。溢れそうっていうか、もう溢れちゃってるから早く何とかしないといけないくらいの、感謝の気持ちを。直接言いたかったけれど、何だか今すぐにでも言いたくて、スマホに打つ。
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