届け、響け、繋がれ

「今日、手続きしてきたんだ、色々」



「そうだったんですね」



やっぱり行って欲しくないなんて思っちゃいけないのに…。



「三日後…」



「えっ!」



あまりにも目に近くて驚く。
風が先輩の髪を撫でる。



「早く行きたくて」


その目には夢しかうつってなくて、恋愛にうつつ抜かしてる私が心底馬鹿みたいで。

本当にすごいと感嘆の溜息が漏れる。

私が入る隙ないんだもん。



「彩葉、ため息?明日は雷だな」



「私にだって悩みの一つや二つありますから!」



今のため息はただ圧倒されてただけだけど。



「この人生マスターに相談しな」



「誰が人生マスターだって?」



「俺!」



そんなに爽やかに言うことじゃないと思う。はい。




「じゃあ、好きって安いと思いますか?愛してるとかそんなセリフと比べて好きって気持ちは安価ですか?」



どうにでもなれという根性で聞いてみた。