「彩葉っ!!」



ばんっと勢いよく扉が開く。
カーテンを閉めて、真っ白なスクリーンを見つめてたからかな。

やけに外の明るさに目を細めた。



「サユキ?」



「朝倉先輩、今日行っちゃうんだよ?行かなくていいの?」



「私、先輩に酷いこと言っちゃった…言っても迷惑なだけだよ…」



迷惑だよ。きっと行ったら、優しい顔で笑ってくれる。先輩は優しいから、私に気を使って頭を撫でてくれたりするかもしれない。


でもそうじゃない。それじゃダメだ。


いつまでも先輩に依存して、好きなんて言ったって、先輩は映画しか見てない。

私なんて、選ばれるわけない。



「迷惑なんて彩葉が決めること?だいたい、あの人気者イケメン先輩だよ、彩葉がそんな先輩の気持ち全部わかるって言うの?」