ー夜 9時ー



ピッピッピッピッピッ…




携帯電話が 鳴った。。。。。




(ユラちゃんの 放送時間だ)





ピッ…


携帯のボタンを押した。




テロレレー♪ テロレレー♪



ユラ「「こんばんわ!

お疲れ~~!」」



ユラちゃんの 生放送が始まった。






が、




俺は コメントをしなかった、





……これが……ヒカル、なんだよな……






(……逢いたい…)





俺が 今日見た ユラちゃんは

ヒカルにしか見えなかった……






(あの髪型は ウィッグ?

あれは 付けまつ毛?

化粧で 色白に見える

喋り方は 変えてんだな

………。





改めて見ると、

ヒカルに 似ている。



似ているんじゃなくて

本物 なんだよな。。。







終了時間 3分前、


[ユラちゃん 雷 苦手?]


俺は コメントを送信した……








終了時間1分前、





ユラちゃんは 俺の コメントを

読んだ……






ユラ「「雷は、大っ嫌い!

この間も 仕事中に、

雷が 鳴ったんだけど…

……………………

…」」





ユラちゃんは 突然 話すのを辞めた。



………






数百人が 見ている この番組、




でも、この時 ユラちゃんと

同じ気持ちでいるのは、

俺 1人だけと 実感した…









ユラ「「……ごめんね、

そろそろ 終了時間です

みんな 今日もありがとね。

バイバーイ。。」」





ユラちゃんの 番組は 終了した。







(…ヒカルだ、間違いない。)




ユラちゃんが ヒカル だったとしても

今更、どうする事もできない と、

わかっていた。








眠れない夜


無理矢理 寝た。


翌朝





ガラガラー!


母親「おはよう!」



「……ん?」


朝から テンション高めで

母親が 起こしにやって来た。




母親「今日は 一日

付き合ってくれるんでしょ?」





「……ああ、そうか、買い物かぁ」





母親「早く 準備してよ!」



「ああ、わかった、わかった、

着替えるから 部屋 出てけ!」




母親「はーい! 早くねー!」


バタン!




(なんだよ あの テンション!)






服を着替えて 顔洗って

朝飯も食えず 出かけた…








母親「久しぶりだね

2人で 出かけるの?」



「そうだな」



母親「お母さん いっぱい

買い物したいからさ

荷物 よろしくね。」




「…なんだよ?それでか?」



母親「そうだよ。」




「飯ぐらい 食わせろよ!」




母親「OK OK。」





こんな会話を しながら


歩いていると、


母親が 急に 止まった!!









母親「あら? あれって、

アイリちゃん?」




道の向かい側を 歩く 女の子。




「え? アイリかなぁ~」





※ アイリは 俺の家の

隣に住んでいたが

中学の時 親の都合で

引っ越した、

まあ いわゆる

幼馴染み。






母親「絶対、そうだよ!」




「なんで、こんなところに…?」





すると、


大声で…



母親「アイリちゃ~~ん!!!」



「やめろ! 恥ずかしい!」




女の子は こちらに気づいた。





母親「ほら、アイリちゃんだ。」




確かに 幼馴染みの アイリだった。





アイリは 俺達の 方へ 走って来た。







アイリ「うわぁ~~~

ユウちゃん?」




「久しぶりだなー! アイリ!」




アイリ「ユウちゃん、

一段と カッコ良くなったね」




「そうか?

アイリも メガネなんか かけて…


凄く、綺麗になったな」




母親「んんん…」(咳払い)





アイリ「……え? お母さん?」



母親「そうだよ。忘れた?」



アイリ「スッゴイ 綺麗になって

わかんなかった!」





母親「そ、そう?

アイリちゃん、かわいいねぇ」




アイリの顔を 撫で回す 母親。