優香「…ん、……んーう…」





優香さんは 起きてすぐ

この状況に 困惑し

頭を抑え 考えていた……






「大丈夫ですか?」




優香「……ユウジロウ君、ごめんね。

あ、、頭 痛~い」





「結構 飲んでましたから…」






優香「本当 ごめんね。

もう少し 休んだら 帰るね。」





(しっかり 記憶は あるんだな)





「優香さん、


さっき 言ってた ヒカルの事…」




優香「ヒカルちゃん?」





「そう、ヒカルの 放送の事だけど、」






優香「……放送?


ユウジロウ君、見たの?」






「うん。」




優香「そうかぁ~、見たんだ…」





「でも、本当、凄く、驚いた!」



優香「でも、 よく ヒカルちゃんが

ユラって 分かったわねぇ?」





「え? 覚えてないの?」





優香「………え?」




(この1番 大事な部分の記憶は

飛んでんだっ)






優香「もしかして……私が?」





「…………うん」








優香「……怒られちゃうなぁ~


'誰にも言わないでね' って

ヒカルちゃんに言われてたの」




「ふ~ん、ヒカルに…………。」






優香「……ごめん!ユウジロウ君?


忘れて、

聞かなかった 事にして!」







「聞かなかった事…?」




優香「そう、聞かなかった事……」






「はあ、まあ いいですけど…」




優香「…よろしくね。」





「はい!わかりました。」





優香「よし、じゃあ 帰ろう」






「帰りますか。」











優香さんと 俺は

カラオケボックスを出た。






優香「本当、今日は ありがとね。」





「いえ、いえ、

あんまり 悩まないでくださいね」





優香「……うん。」




「じゃあ、優香さん、また。」




優香「うん、またね。 バイバイ」






俺と 優香さんは

カラオケボックスの前で

別れた。







(聞かなかった事って 言われてもなぁ

実際 聞いちゃったし、





ヒカルと ユラちゃんが、


同じ人だって………






俺は ナンパもしないで、

真っ直ぐ家に帰った。


家に着くと 美味しそうな 匂いと

久しぶりに見る 母親がいた。






ガラガラー。







母親「おかえりっ」




「なんだ、今日は 休み?」





母親「違う!、会社 辞めたの」



「辞めた? 会社 辞めたの?」



母親「うん、辞めた!」



「なんで?」



母親「ちょっとね、」



「なにが あったの?」




母親「この前 話した お母さんの

好きな人 いたでしょ?

あの人に 捨てられた…」




「なんだよ それ!」




母親「だって、あの人 社長だから

お母さんが 邪魔になったんでしょ」



「それじゃあ、クビか?」



母親「…まあ、そうね。」



「そうね。って」





母親「いいのよ、退職金と手切れ金

合わせて……

結構な額、貰ったんだよ」





「愛も、最後は、金か。。」



母親「……うふふ、そうだね」




明日から 母親が 家に四六時中

いると思うと、

ウザいような、嬉しいような、

複雑な心境だった。







母親「あ、ユウジロウ、明日 暇?

どーせ、暇か

買い物 付き合って?」




「はあ? 勝手に 暇にすんなよ!」





母親「いいじゃん! たまにわ!」





「………う~ん。」




母親「よし、じゃあ明日は

お母さんと デートね」



ギュッ!





「…離せ! 抱きつくな…」








こんな 調子で 俺の母親は

気持ちが若い。

まあ、年齢的にも

17で 俺を産んでるから

そこそこ、綺麗な おばさん だと

思う。



明日は 久しぶりに 母親と

出かける事になった。