オブジェのある公園

ゆっくり 唇を離す2人…

ヒカルは 目を合わせようとはしない

俺もあえて 視線をそらした



お互い 何話していいか わからず

沈黙…





……







……








………






……






「後、2件だったっけ?」



ヒカル「う、うん、そうだよ」






「雨も止んだし 行くか!」






ヒカル「…うん」






チョットだけ ぎこちない2人……





それでも 2件の 配達が終わる頃には




いつもの2人. いつものヒカルに

戻っていた。







ヒカル「はぁー! 今日も、

終わったねー?」





「ハア。 疲れた~」




ヒカル「…今日さあ、用事あるから

急いで帰るね?」






「ああ そんな事言ってたなあ」




最後の 現場を出ると

いつもより 早めに

トラックを走らせた。






「……どっか行くのか?」





ヒカル「気になる?」



「うん。」



ヒカル「……気になるんだ!」



「ああ じゃあ いいや」



ヒカル「………友達」




「友達?」



ヒカル「そう。 二ヶ月ぶりに

友達が 帰って来るの!」





「ふーん」




ヒカル「なに?安心したとか…?」




「安心も、心配もないな!


まだ、そういう関係じゃ ないし」






ヒカル「そうだね。。。。

たかがキスだもんね?」




「うん たかがキス…」








…………………




ヒカル「……女! 女友達 三人で

集まるんだ~。。」




「そうか。 まあ 楽しんで来いよ」






ヒカル「うん。 すっごい 楽しみ!」












いつもより 5分早く 会社に着いた


「あ、トラックの車庫入れ やっとく」




ヒカル「え? いいの?」



「おう。 だから、早く行けよ。」



ヒカル「ありがとう、じゃあ

後の事は 頼んじゃっていい?」




「うん。」




ヒカル「……お疲れ!」



そう言うと ヒカルは 走って帰った。






俺は トラックを車庫に入れて

少し ゆっくりめに 帰った。




基本的に 朝以外は、誰もいない

帰ってくる時間帯は

配達先によって違うから。







「終わった~~」






今日も無事に 一日が終わり


俺は 家に着いた。


「ただいまー!」






(あっ、そうか、ユキコ帰ったんだ…)





今日から また 1人で夕飯か……





そういえば、最近、ずっと お袋とすれ違いで

全然 会ってねえなぁ~









今夜は 1人で ゆっくり過ごした


(ユラちゃんの 放送前に、

全部 済ませておこっと…)







飯食って 風呂入って

部屋に戻った。




そろそろ


ユラちゃんの 放送時間だな…






8時、

そろそろだ。






8時半、

まだかな?







9時、

もう 始まるよな?






9時半

長い……、









10時、

あれ? もしかして 深夜かな?







~~~~…







深夜2時、

ああ さすがに 眠い……





携帯電話を 何度も見たが

始まる 気配なし。




(無いな…… 今日は 放送ない日だな…)



……眠よ。。。。。






眠りについたのは

3時近かった……






グウガァー!





ガァー











ピピピピっ! ピピピピっ!


朝 5時 のアラーム音。



………………






「……よし!

今日 1日行けば 休みだ!」




珍しく 俺は 飛び起きた。


バッ!






「あっ!


今日で 体験入社 終わりだ。。。」








仕事終わった後 社長と面接、

お互い 良ければ

本採用になる。





(社長、…なんて言うだろう?

俺は この仕事続けたい……





そうだ、


体験入社 終わりって事は…


ヒカルと 一緒に行くのも

今日で 最後かぁ~……









緊張、そして……



寂しい気持ちもあり


朝は、憂鬱なまま

出勤した。