オブジェのある公園

ヒカル「いいから、黙って食べなって」





「おまえなぁ~ 一回 痛いめ……。



辛いめ あってんのに 食えるか!」







ヒカル「もー ぶつぶつウルサイ 男だな

あんたは 奴隷なんだから

黙って食べれば いいでしょ」






とりあえず 弁当の フタを開けた


見た目は 綺麗で うまそう。


ここまでは 前回と同じ





(さあ、いよいよ 味だ……)





ヒカル「ハアー、情けない奴だ。。」





俺は 恐る 恐る 食べてみた。















「…………美味い。」




ヒカルは 俺の顔を 見ていた。






「普通に 美味いじゃん」




ヒカル「普通か………」



(本当は 凄く 美味かった)





「…なんで、俺に?」





ヒカル「奴隷とは いえ


荷物 運んでもらってるし…





お礼だよ!」







「は? 俺の事が 好き?」



ヒカル「どうなれば、そう

聞こえるの?」











「………ヒカル!」




俺は ヒカルを見つめた



そして、


ゆっくり ヒカルを 抱きしめ…







ヒカル「おまえ それ以上

近付いたら 頭突きな!」



……諦めた…………。








「…うん、美味い、美味い」










ホント うまくて、

あっという間に 食べ終わった。







「ごちそうさま」





ヒカル「いえ、いえ。」





「おまえ 料理上手だな」




ヒカル「そう?。…………



元彼と付き合ってる時

いろいろ 勉強したんだ」






「元彼?…………そうなんだ!」




ヒカル「なに、怒ってんの?」



「別に…………」




ヒカル「………………ふぅ〜」






「ああ、そういえば 昨日、病院で

俺の診察したの おまえの元彼だった

優しい奴だったぞ」





ヒカル「そうなんだ?

まあ、確かに 優しいけど…」





ヒカルは少し微笑んだ


それがまた俺を イライラさせた。





「男は 優しいだけじゃな、」





ヒカル「……そうだね」



「そうだよ、俺みたいに………」





(何もない…俺には、何もない…)




「……………」




ヒカル「なに? 俺みたいに…なに?」





「なんでもない。」




ヒカル「なんなの それ、」




「おい! そろそろ時間じゃね」




ヒカル「あっ ホントだ」






イライラしたまま 次の現場に向かった



ヒカル「ああ そうそう 次の現場

荷物は少ないけど

駐車場ないから 少し

歩かないといけない、」




「じゃあ 俺 初めて行く所だな?」




ヒカル「うん。 初めて」




「荷物って、重かったりする?」




ヒカル「うううん、重くない、

小箱一個だけ」




「あはっ そうか、そうか」







キィー!





駐車場がないため 現場から離れた

空き地に止めた。






ヒカル「よしっ。 行こっか!」





バタン! バタン!





「おう、荷物は俺が持ってくよ」





ヒカル「当然。」




「………は?」





ヒカル「あの先の 橋の辺りかな」



「橋って、あの 赤い橋?」



ヒカル「そう。赤い橋」



「おい!結構 遠くない?」



ヒカル「そう?」






ハア…





ハア……




しばらく 歩くと ようやく 橋が

見えてきた。




ヒカル「もう少しだよ」




「ハアハア………もういい、俺、ここでいい…」



ヒカル「あと少しだから、頑張って!」




「………遠い……」







トラックを降り 15分ぐらい歩いて

ようやく 現場に到着した。