side晃

「プイッ」

いま、俺の目の前で拗ねているやつがいる。

「もう知らないっ!」

……

「なに、俺なんかした??」

「したよっ!したから怒ってんじゃん!!」

学校から帰って来て早々、機嫌が悪いことに気づいた。

というか、見せつけていたとしか思えない。

「ポッキー食べちゃったこと?」

「それはっ晃のものだったでしょっ!」

「じゃあ、お皿割ったこと?」

「そんなの、晃が怪我してなきゃいい!」

「じゃあ、なに?」

改めて、愛されていることを自覚出来た。

本来の目的からズレてる……

「今日、ちゅーしてた」

「……は?」

「だーかーらぁ!今日、晃が女の子とちゅーしてたの
見ちゃったのぉ!」

え、ごめん待って、頭がついていかない。

ちゅー?身に覚えがない。

それに、翼以外とキスなんて、考えられない。

「それ、見間違いじゃない?俺じゃないよ」

「嘘っ!絶対晃だったもん!
今日、倉庫に女の子と居たでしょっ?」

……まさか

「あれ、葉っぱ取ってあげただけだよ?」

「へ?」

なんて間抜けな顔……

「だから、ちゅーしてない。葉っぱ取ってあげただけ。
どうせ、上から見てたんでしょ?」

「……コクッ」

「やっぱり。」

「……ゴメンナサイ。疑ったりして。」

そんな顔されたら、怒る気にならないよ

「いいよ。もう。」

「怒った?」

「かもね。」

「やだっ……怒らないで……」

「っそんな顔して、黙ってられないんだけど」

「ぇ?」

「拷問だってこと((DP」

「んふっんぅ…っあんぁ…ぁふ…ふっあ……んぅっ」

「……泣き止んだ?」

「ぅん。泣き止んだ」

「じゃあ、寝よう?((ポンポン」