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『ねえねえ、愛也くんは?』


『え?』



突然何かを尋ねられ、声のする方を振り返る。




誰だっけ...?


見覚えはあるけど、名前が思い出せない。




『愛也くんの名前の意味は?』


無邪気な笑顔を俺に向けながら、その子は言う。




『え...』


その質問に言葉を詰まらせる。



名前の意味なんて、知らない...



まわりの子たちの声を聞く限りだと、今、名前の由来についての話で盛り上がっていたところらしい。




『えっと...』



どうしよう...



なんて言えばいいか分からない。




分からないって言ったら、なんでって言われるかな...


かといってテキトーな嘘も思いつかないし...




そうやって口ごもっている間に、



『私も知りたい』


『なになにー』



ってどんどん人が集まってくる。