人形の君に心をあげる。




「っ―――」





それ以上...俺に現実を突きつけるな







「行きましょう。今ならまだ間に合います。」




庭師は俺の手を引いて歩き出す。







やめてくれっ!





「っ...」




力一杯につかまれたその手を振りほどく。




「え...」




その反動で庭師が振り返る。




信じられない、って顔をして。






「どうして...」



その顔はすぐに困惑した表情に代わり、俺に詰め寄る。






「家に、帰りたくないんですか?」




俺の考えていることが分からないって顔にかいてある。






「...」





やめろ...






どうしてそんな顔で俺を見るんだ







このとき、俺の内側で、俺を満たそうとした”何か”が一気に崩れ去って行くのが感じられた。







...ああ



懐かしい感覚。






ずっと、俺とともにあった、あの感覚だ。








...”あの場所”を出て平和ボケでもしていたのだろうか







どうしてこの感情を忘れていたんだろう...