「あなたの話を聞く限り、ご両親やご友人はこのことを知らないのではないですか?」
庭師の問いかけに大きくなる心臓の音だけが体中に響く。
「...」
言葉が出てこない。
さっきまで抱えていた疑問や、いろんな考えが一気に姿を消す。
空っぽになる俺を今度は、言葉では言い表せない気味の悪い”何か”が満たしていく。
「...きっと、あなたのご両親はあなたの帰りを待っているはずです。」
庭師は力強さと優しさを含んだ表情で俺に言う。
「...」
鼓動だけが、俺のこの感情を知っているみたいにだんだんと早くなっていく。
...やめてくれ
そんな顔で、こっちを見ないでくれ
その顔は...
嫌いなんだ
「家に帰りたいでしょう?」
やめてくれ...
そんな顔をするな...
もうそんな顔、見たくないんだ...
”それが当たり前”とでも言うように
”それが当然”であることを信じて疑わない...
そんな表情


