そして手入れをしながら、ここについて説明を始めた。
「昔...と言っても、20年くらい前の話ですが...
ここは、とある学校として使われておりました。
おそらくあなたが眠っていたという場所は、昔この場所が学校として使われていた際に、寄宿舎として使われていた部屋の一室でしょう。」
「...学校?」
ここが...学校?
作業をする手を止め、後ろに建つ立派な屋敷を振り返る。
こんな立派な屋敷が、学校だって?
「バトラー養成学校です。」
「...バトラー養成学校?」
「今は廃止となってしまいましたが、その昔、バトラーになるためには国家資格が必要だったのです。」
「...」
バトラーが...国家資格......
黙って庭師の話に耳を傾ける。
「合格率3%のその試験に合格することを目的に創設されたのがこの学校だったのです。
バトラーは、知能はもちろんのこと、体力、品格...どれをとっても一流であるとみなされなければならない存在...
それゆえに、とても厳しい試験が課せられ、その合格率もとてつもなく低かったのです。」


