人形の君に心をあげる。




呼吸を整えて、落ち着くように自分に言い聞かせる。



「順応も何も...ここのことを何も知らねえんだよ。従ってほしいなら、それなりに説明ってもんが...」



!!


気づいた時には、もう遅かった。




黙れと言うように男の手が俺の首元めがけて伸びてくる。



「...」

嫌な汗があふれ出し、脈が速くなる。



男は力を入れるでもなく、そっと添えるように俺の首元をつかむ。



でももし、男が今、手に力をこめたら...息の根だって止めかねられない。


それに何より、この男自身がそれをしそうな恐ろしさを秘めている。




「従ってほしいんじゃねえよ。従えって、命令してんだよ。」


男は今までの声よりもっと低い声で言う。



「...」


答える余裕なんかないほどに、呼吸するので精一杯だった。