人形の君に心をあげる。




男は俺の前で止まった。



「なんだあ?蛇に睨まれた蛙みてえだな」



そして、ニヤニヤとあざ笑うように俺を見る。




「っ!...んなことねえよ」



なんとかそう答える俺に、余裕な態度で後を続ける。





「洞察力があるってのも考え物かもなあ?」




男は言いながら顔を少し突き出して、俺の目を覗き込む。




「...っ」



まるで、心の中を読み取られているような、そんな嫌な感じがする。





「相手がどんな奴か分かりすぎるが故に、手も足も出なくなっちまうもん、なあ?」



語尾を強めた、俺に同調を求めるような言い方。




俺がこいつにはかなわないと認めたことをわざわざ強調して言ってるんだ...




...こいつ


バカにしやがって...



俺は思いきり悪態をついてやりたい衝動に駆られるのをこらえるのに必死だった。