あの人数で囲まれたんだから、無理に動けたとしても、骨折くらいはしてると思ったんだけどな...
男の言った通り、体が頑丈だとは思わないけど、運が良かったらしい。
一通り体の確認を終えると、同時に、再び男の声がする。
その声に男の方を向く。
男はこちらに背中を向けたままクローゼットで何かを探しているようだった。
「鍛えなくてそれだけのポテンシャルなら、他の奴より少しはマシな訓練が出来そうだな」
そう言った男の声は、少しだけ楽しそうに聞こえた。
「...は?」
”訓練”...?
俺が?何の訓練を...何のために...
考えていると、男はクローゼットの扉を閉め、立ち上がりこちらを振り返る。
そして、くすりとおかしそうに笑った。
「意味わかんねえって顔してんな。でも、安心しろよ、殺しはしねえから。」


