そういえば、あの時この男は驚いたような表情を浮かべていた。
それは、俺が起き上がって動いていたからなのか...
「お前自身...は、あまり気づいてないようだが、相当にひどい打撲を全身に負っている。」
そう言いながら、男は目だけを動かして俺の体全身を眺める。
俺もその視線に促されるように、自分の体に目を移す。
「しかし、一人じゃ立てないくらい弱ってた割には、骨折のひとつもないなんて...、回復力に加えて、体そのものが頑丈らしいな、お前。」
男は言いながら、部屋の奥、ベッドとは反対側へ向かって歩き出す。
俺はその様子を眺めながら、そっと体を動かしてみた。
「っ...」
確かに、全身に痛みは感じる。
でもやっぱり、動かせないほどではない...というか、実際に動かすことができた。


