そのしぐさは少し荒々しくて、きれいな洋装をしたその男には少し合わないと思った。
...この人が俺を助けてくれたのか?
男の背中を眺めながら、ふとそんな疑問が浮かんできた。
だけど、考えてみて、なんとなく違うような気がした。
この男の態度といい、話し方といい、昨日の記憶の男とはあまり似つかない。
まあ、記憶の中の男も意識がもうろうとしていたこともあって、はっきりとは思い出せないのだけど...
「お前、どこで鍛えた?」
男は相変わらず俺に背中を向けたまま、いきなりそう尋ねた。
「は?」
俺は予想もしていなかった問いに、答えが出てこなかった。


