人形の君に心をあげる。




今日からは、俺だけのために生きていく。


鳥かごの中で飼われた鳥のように、飼い主に決められた世界の中で、ほんのわずかな自由をあたかも”本当の自由”であるかのように錯覚して生きていく、そんな人生はもうこりごりなんだ。


学校だって別に行きたかったわけじゃない。


でも、学校に行くことは正しいことで、行かないなんて許さない。

みんながそう言うから、半ば強引に、仕方なく高校に進学することになった。


これが俺を飼いならす大人たちが俺に与えた”世界”。


俺はその”世界”が嫌いだった。


もともと自分が望んで進んだ場所でもなかったし、あとから好きになるほど魅力的な場所でもなかった。