そんなことを考えているときだった。
妙な音が聞こえてきた。
雨の音でも、風の音でもない、石と石がこすれるようなそんな音。
誰か来る!?
そう分かった瞬間、一瞬にして体に力が戻ったような気がした。
さっきまで、ピクリとも動かなかった体が強張っていくのを感じた。
音はゆっくりと一定のリズムを刻みながらこちらに近づいてくる。
誰だ...
声には出せなかったけど、代わりに体が自然に音の方を向く。
「いっ―――」
その瞬間、これまで感じたことのない鋭い痛みが全身に走る。
俺は激しい痛みのあまり、音の正体を確認するよりも、痛みに耐えることしかできなかった。


