人形の君に心をあげる。




動けずに鉄橋の柱に寄りかかっていると気づいたのは、きっと長い時間が過ぎてからだったと思う。



俺を囲んで、遊んでいた集団は誰一人いなくなっていた。



狭くて暗い視界の中、俺の荷物を詰めたかばんが転がっているのが見える。



中のものはそこらへんに散乱し、荒らされている。


きっとあの様子からして、金だけ持って行ったんだろう。



体中が痛み、声もうまいように出せない。



それなのに、耳だけはちゃんと聞こえるようになっていた。



豪雨なんだろう。


激しい雨が地面にたたきつける音が聞こえる。




鉄橋を渡る車が雨音と相まってうるさい。