人形の君に心をあげる。




鉄橋の下に着くと、男は俺の荷物を柱の方に投げ捨てた。


「お前、由比愛也(ゆいまなや)だろ?」

男は俺の存在を確認しながら、仲間とともに俺を取り囲んだ。



「...そうだけど、誰だよ、お前」

周囲の男に意識を集中したまま、リーダー格の男に聞く。



俺にはそいつの見覚えがなかった。


普段から他人に興味を持つ方ではないと思うけど、こんな絡まれ方するくらいの関りが前に会ったのなら覚えていてもいいはず。


だけど、一向に思い出せない。

記憶がかすりもしない。




「お前、美香(みか)に何した?」


男は自分が誰なのか名乗ることなく、続けざまに言う。



「は?美香?誰だよそれ...」