「近藤リオ。」



「おいおい、同名なんだからどういう漢字なのか教えておけよ。
もう、馬鹿だなー。」



「去年、赤点で普通科に下ったヤツに言われたくないんだけど。
手、出せよ。」



『え?何??』



左手を私に差出したリオくんは、相変わらず不機嫌そうな顔をしてる。
ぱっと右手をリオくんの手の上に乗せる。



「お手じゃないんだよ。
それとも、」



ぐっと手を引っ張られて自然と体がリオくんの方に倒れる。



「やっぱり俺の下僕になりたいの?」



2人に聞こえないように、耳元でそう呟かれた。




『んなっ!そんなわけないでしょ!?
こんの、変態!!』



「えっ!?
なに?何したの??」



須田くんが興味津々に詰め寄ってきたけど、それをガン無視するリオくんは、私の手を取って平に何かを書き始めた。



‘理 ’‘ 央’



『あ、同じだ。』



どうやら、名前の漢字を教えてくれたみたい。