理央くんの後ろ姿が小さく見えた。


「んまぁ、もうあいつらの血が流れてる時点でどうあがいても終着点は変わらないけど。」



ふっと自虐的に言い放つ理央くんに手を伸ばす。



『そんなことないよ、大丈夫。
理央くんは頑張ってるじゃん。』




ポンポンと柔らかい髪をなでる。


『私はね、親居ないんだ。
うーん、ちょっと違う。
・・実親が死んで今は血のつながってない親がいるの。』




ピクリと反応したのが分かった。



『どうして死んだのか私は覚えてないけど、親のことは覚えてる。
声も顔も一緒に遊んだことも。
・・・義理の親と仲が悪いってこともないんだ。』



でも、ね。



弱さの見せ方がわからないんだ。



『迷惑掛けたくないから。
私の存在そのものがもう迷惑になってるから。』



体調を崩しただとか、これが嫌だとか、そんなワガママは言えない。



『1人で暮らして、やっと迷惑がかからないようになったの。』