「せっかくだし手伝うよ!」
「汐……」
なんて優しい子なんだ。
助かった。
これでもう村田に迫られることはないだろうから。
「ありがとう、お願いします」
「任せて!」
その後、汐にも本をいくつか渡し、それぞれ違う棚に本を直していく。
順調に進んでいたら、突然村田の声が聞こえてきた。
「おい」
「……どうしたの?」
とりあえず声のする方の棚へ行く。
そこは一番端の棚で、村田は私を見ていた。
「これ、どこ直すんだ?」
「え?どれ?」
村田の手にある本を確認しようと近づいた瞬間……
頭の後ろに手をまわされ、そのままグイッと引かれてしまう。
そして強引に唇が重ねられた。



