お前を笑顔にしたいだけ





そう思った私はぎゅっと目を閉じ、その瞬間を待っていたら……



ガラッと、突然図書室のドアが開く音がしてはっと我に返る。



勢いよく村田を押し、ドアの方に視線をやる。



そこから入ってきたのは……



「里穂ー!
様子見に来たよー!


……あっ、いたいた。
仕事中だった?」



明るい笑顔を浮かべる汐だった。



「あっ、うん。
ちょうど本直してて……」



村田が適当に置いた本を手に取り、汐に見せる。



「そっか。


じゃあ私も手伝う……って、もしかして里穂の後ろにいるのって村田!?」



村田、というワードにドキリとしたけど、平然なフリをして後ろを振り向けば、超不機嫌の村田がいた。