お前を笑顔にしたいだけ





「俺に指図するやつわこの学校でお前だけだ」



「はぁ?何わけわからないこと言ってるの?」



「そのまんま。この学校のやつらって全員怖がるだけだし、ほったらかし。


まあ別にどうでもいいんだけど」



どこかその言い方が投げやりで、素っ気なくて。



一瞬心に引っかかるものがあった。



やっぱり村田にも色々あるのだと、この時点で確信した。



でも別に、無理に知りたいとは思わない。
きっと私も言っていないことがあるからだ。



「そんな誰彼構わず暴力ふるってたら今この学校にいないのにね。


みんな怖がりすぎなんだよ。
案外真面目なところもあるのにね?」



「……からかってんのか」
「フォローしてあげてるの」



まだ村田と関わるようになって一ヶ月も経ってないけど、考え方がこんなにも変わった。