お前を笑顔にしたいだけ





カウンターに座っていても意味がないため、私は立ち上がって本の整理をしに行く。



その前に返却済みの本の棚から何冊か手に取った。



返されてるってことは、今日の昼休みには誰かが利用しに来ていたのだろう。



だけど、誰も来ないと仕事してる気がしない。



ただ掃除して、本の整理をするだけが図書委員だなんてなんか物足りない。



でもいくらそう思っても来ないものは仕方ない。



私は諦めて本を元の棚へと戻していく。



そんな私をカウンターからじっと見てくる村田。



「ねぇ、見てないで手伝ってよ」



私の言葉に対して村田は何も返さずに立ち上がり、私も同じように返却済みの本を手に取りこっちにやって来た。