「晴樹…?寝てるだけ、だよね?
それならお願い、目を開けて…?」
私の呼びかけに晴樹は反応しない。
「ねぇ、晴樹……!
聞こえてるなら動いてよ……!?
あのメッセージは何?
どうして別れたいの?
なんでこんな目に遭ったの……?」
じわりと涙が目に浮かび、視界が歪む。
嘘だ、嘘だ、嫌だ。
何度呼びかけようが、晴樹は全く動かない。
それが本当に怖くてたまらない。
なのに目を閉じて眠る晴樹は綺麗で。
静かに深い眠りについているようにさえ見える。
それが逆に不安が広がって、涙が目からこぼれ落ちる。
理解できなくて、頭がついていかなくて。
そんな時……
病室の扉が開く音がした。



