それは、優しいところ。
晴樹と違ってその優しさは不器用で、言ってくれないと気づかなかったけど意外と周りを見ていた村田。
「でも、いつから私のこと見てたの?」
つねられた後の頬に軽く手を添えながら聞いてみた。
村田の見ている時に私、笑ったことあるっけ。
そもそも村田、学校来てないし同じクラスになってからの日も浅い。
じゃあ残すは……
「一年の時、なんとなくお前が目に入っただけ。
下手くそな笑い方だなって」
私の予想は当たっていた。
今はその馬鹿にした言い方に腹が立たない。
「そっか。
一年の時から私のこと知ってたんだね」
「うるせぇ」
恥ずかしいのか、そっぽを向いてしまう。
なんか、かわいい。
さっきまであんな嫌だったのに、今は心が温かいから不思議だ。
感情の変化って恐ろしい。